語るべき事が、どれほどあるというのだろう。
もし、本当にすべてが空とするならば、
書き終えた段階で、バックスペースを押すなり、
デリートするなり、ごみ箱に投げ捨てるなり、
すれば良かったのかもしれない。
どうかこの愚行、諸仏が見過ごし給う事を、祈るばかりである。
少なからず語るとするならば。それは救済への疑念だ。
本編の主人公、聖白蓮なる尼僧は、己の持ち得る信心、信念を説き続ける法の伝道者としてある。
希望により不老不死を得はしたが、四苦八苦への恐れは日ごとに増し、死に別れた弟への愛は肥大化して行く。
力を得、仲間を得、寺を得、そして魔界では、新しい価値を得た。
法は説く。しかし己の信じる法と、仏の説く法の差異は、それ故に極端に齟齬を産み始める。
封印され、悟りの一端を手に入れた聖白蓮は、そして幻想郷にて、その真実を知るべく立ち上がる。
人の価値を知り。
法の理を知り。
魔の道理を紡ぎながら、聖白蓮は己の悟りを確かめるべく、足を進める。
全ては、全生命への大悲故に。
第八回博麗神社例大祭 にわかあめ新刊 「空想浄土〜聖白蓮概略〜」
場所 東 N-23a
仕様 B6サイズ 170P
原作 上海アリス幻樂団
著作 にわかあめ
イラスト cis
会場頒布価格 1000円
主演 聖白蓮 寅丸星 四季映姫